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「仕事を辞めたい」と「休みたい」を分けて考える

仕事を辞めたい、疲れたと感じるとき、辞めたい気持ちと休みたい気持ちは混ざっていることがあります。退職や転職を考える前に、負担がどこにあるのかを分けて確認するための整理です。

仕事を辞めたい。でも、疲れているだけなのかもしれない。休めば気持ちが変わる気もするし、休んでも戻りたくない気もする。そんなふうに、辞めたい気持ちと疲れが混ざって、自分でも判断がつかなくなっている人もいます。

この記事は、辞めることも、続けることも勧めません。退職や転職を考える前に、「辞めたい」と「休みたい」のどちらが強いのか、負担がどこにあるのかを分けて確認するための整理です。答えを出すより先に、何が分かっていて、何がまだ分からないのかを見えるようにすることを目指します。

「辞めたい」の中に、いくつかの気持ちが入っている

同じ「辞めたい」でも、中に入っているものは人によって違います。

  • とにかく休みたい(休息が足りていない)
  • 仕事の量や時間がきつい(業務の負担)
  • 特定の人との関係がつらい(人間関係)
  • 仕事の内容そのものに違和感がある(仕事内容)
  • 給与や評価に納得できない(待遇)

これらは重なっていることもあります。ここで大切なのは、すぐに「休めば解決する」「環境を変えるべき」と決めることではなく、いまの負担がどこにあるのかを分けてみることです。

確認できる問いで、負担の場所を探す

ここで「限界かどうか」を判定する必要はありません。いま何が負担になっているかを見つけるために、感覚を確認できる問いへ置き換えてみます。答えが出ない項目は、そのまま「分からない」で構いません。

休息が足りているか

  • 休みの日に、仕事のことを考えない時間があるか
  • 連休や有給休暇のあとに、気持ちが少しでも軽くなった経験があるか
  • 睡眠の時間が、自分にとって足りているか

業務の負担はどこにあるか

  • 忙しさは、特定の時期(繁忙期や異動の後など)に始まったのか、ずっと続いているのか
  • 量、期限、責任の重さのうち、どれが一番きついか

人間関係や仕事内容はどうか

  • つらい場面に、特定の人や特定の作業が関わっているか
  • その人や作業がなければ、続けられそうか

いつから続いているか

  • 気持ちが重くなり始めたのは、いつごろか
  • そのころに、仕事や生活で変わったことがあるか

答えが「分からない」でも構いません。分からないことが見つかるのも、整理の成果です。

体調や気持ちの変化が続いているとき

眠れない、食欲が落ちた、気分が沈む状態が続いているなど、体調や気持ちの面でのつらさがあるなら、辞めるかどうかの判断とは別に、医療機関などの専門窓口へ相談することを検討してください。

また、「消えてしまいたい」「自分を傷つけたい」といった考えが浮かぶことがあるなら、一人で抱えず、相談窓口や医療機関につながってください。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNSなどの相談先を案内しています。働く人のメンタルヘルスについては、厚生労働省の委託事業「こころの耳」でも電話・SNS・メール相談を受け付けています。今すぐ自分の安全を保てないほど切迫している場合は、119など緊急の支援を利用してください。窓口ごとに受付時間や方法が異なるため、利用前に各ページで最新の案内を確認してください。

「辞める」「続ける」以外の選択肢

二択にすると、間の選択肢が見えにくくなります。

  • 休む。 年次有給休暇を使う、連休に合わせて休むなど。会社に休職制度がある場合は、対象や期間を就業規則などで確認してください。また、業務外の病気やケガの療養のため仕事に就けず、給与を十分に受けられないなど一定の要件を満たす場合は、健康保険の「傷病手当金」の対象になることがあります。待期期間などの要件があるため、加入している健康保険の案内を確認してください(協会けんぽ:傷病手当金)。
  • 負担の大きい部分を、伝えてみる。 業務量、担当、働く時間など。変更できるかどうかは職場によって異なるため、相談できる相手や制度があるかを確認します。
  • 見直す時点を決める。 休める期間を確保できるなら、その前後で気持ちや体調がどう変わったかを書き留め、あとで見直します。期間は、自分の状況や外部の期限に合わせて決めて構いません。
  • 話してみる。 一人で考えていて同じところを回っていると感じるなら、誰かに話して考えを外に出すことで、整理しやすくなることがあります。

原因が、職場でのいじめ・嫌がらせや労働条件にあると感じているなら、退職や転職の前に、公的な窓口で相談できます。厚生労働省の「総合労働相談コーナー」は、職場の労働問題全般の相談を、無料・予約不要で受け付けています(厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内)。

分かっていること、まだ分からないこと、自分の気持ち

書き出すときは、次の三つを分けておくと、あとから見返しやすくなります。

  • 確認できている事実: 残業の時間、休みの取得状況、負担が始まった時期など
  • まだ分からないこと: 休んだら気持ちが変わるか、職場が変わるとどうなるか、など
  • 自分の気持ち: 「もう行きたくない」「ここは好きだ」など

すべてを埋める必要はありません。「まだ分からないこと」が書けたら、それが次に確認することになります。

今決めなくていいこと

外部の期限や安全上の事情がなければ、退職するかどうか、転職先、退職の時期を今日すべて決める必要はありません。疲れが強いと感じているなら、まず体調や負担の状態を確認することもできます。一方、いじめ・嫌がらせ、違法な労働条件、安全上の問題など待てない事情がある場合は、無理に様子を見ず、上で紹介した公的窓口や専門機関への相談を検討してください。

頭がいっぱいで、考えることそのものが苦しいときは、考えるのを一度手放す方法を扱った記事も役に立ちます。

→ 頭がいっぱいなときに考えるのをやめる方法

休める状況で一度休んだあとも辞めたい気持ちが残る場合や、休息だけでは整理できないと感じる場合は、残る場合と動く場合を比べる軸を整理した記事が次の手がかりになります。

今の会社に残るか転職するか迷ったときの判断軸

転職に迷うときの全体像を先に見たい場合は、こちらに地図があります。

転職するか迷ったときに最初に考えること

次の小さな一歩

  1. 「休みたい」「仕事量がきつい」「人間関係がつらい」「仕事内容が合わない」のうち、一番近いものを一つ選ぶ
  2. 選んだものについて、「いつから」「どんな場面で」を書く
  3. 書いたうちで、まだ分からないことを一つ決める

一人で整理しにくいときは、第三者と話す方法もあります。公的な無料相談を含めて、キャリア相談の全体像は次の記事で確認できます。

キャリア相談とは何をするサービス?向いている人・向かない人