Habits
習慣が続かないのは意志が弱いからではない
習慣が続かないとき、意志の強さだけを見直さなくても、きっかけ・始めるまでの手間・やることの大きさ・環境から考える方法があります。続かない理由を分けて、次に読む記事を選ぶための地図です。
始めたはずの習慣が、気づくと止まっている。何度か続けては途切れて、また最初からやり直す。そのたびに、「自分は意志が弱いのかもしれない」と感じてしまう人もいます。
習慣が続かないことを、そのまま自分の評価に結びつけなくてもよい場合があります。この記事は、続けるための方法を一つに決めるものではありません。習慣が続かないとき、意志の強さ以外に、どこを見直せるのかを分けて眺め、次に読む記事を選べるようにするための地図です。
習慣が続かないとき、見直せるのは「意志」だけではない
続かなかったとき、「もっと頑張ればよかった」「もっと気合いが必要だった」と振り返ることがあります。ただ、それだけで理由を説明すると、止まった場面や条件など、別に確認できることを見落としやすくなります。
この記事では、整理のための便宜的な枠組みとして、続かなかった場面を次の四つの観点から眺めます。これは公的・学術的な分類ではなく、記事独自の整理です。原因を特定する分類ではなく、次に何を確認するかを見つけるためのチェックポイントとして使います。
- サイズ: 始めようとしたことの大きさが、そのときの自分の状況に合っていたか
- きっかけ: いつ、どんな場面で始めるのかが、決まっていたか
- 手間(摩擦): 始めるまでに、準備や判断がどのくらい必要だったか
- 環境: 周りの状況や、ほかにやることが、続けることにどう関わっていたか
四つに当てはまらない場合や、複数にまたがる場合もあります。分類することが目的ではなく、「次に何を確認するか」を見つけるために使います。
それぞれ、次のような問いに置き換えると、確認しやすくなります。
- サイズ: 止まった日は、決めていた量をそのままこなせる状況だったか
- きっかけ: 「いつ、どこで」やるかを、あらかじめ決めていたか
- 手間: 始める前に、準備や選ぶことがどのくらいあったか
- 環境: 続けようとした時期に、仕事や生活で変わったことがあったか
答えが分からない項目は、「分からない」のままで構いません。分からない部分が、次に確認することになります。
続かなかったことを、事実として眺める
続かなかったことを振り返るときは、気持ちの評価と、起きたことを分けておくと整理しやすくなります。
- 起きたこと(事実): いつ始めて、いつ止まったか。止まった日の前後に、何があったか
- まだ分からないこと: なぜ止まったのか、本人にもはっきりしないこと
- 自分の気持ち: 「情けない」「またダメだった」など
気持ちの部分は、無理に変えようとしなくて構いません。事実の欄を埋めておくと、「意志が弱い」という一言だけで説明せず、止まった時期や条件を別に確認できます。
いま、どこで止まっていそうか
診断ではなく、位置を確かめるための目安です。
- 始めるときは意気込むが、すぐに止まってしまう
- やりたいことはあるのに、最初の一歩が出ない
- 「やらなきゃ」と思いながら、先延ばしにしている
- 新しいことを始めるたびに、ほかのことが回らなくなる
- 毎日の判断で疲れていて、新しいことに手が回らない
- 続けられなかった自分を、責めてしまう
一番近いものから、次の節を読んでみてください。
始めたことが、すぐ止まるとき
始めた直後に止まってしまう場合は、サイズの観点が手がかりになることがあります。最初に決めた量が、そのときの生活に合っていたかを確かめる方法があります。具体的な考え方は、次の記事で扱います。
→ 三日坊主にならないために、最初から小さくする方法
やりたいのに、動けないとき
やりたいことははっきりしているのに、行動に移せない場合は、きっかけや、始める前の条件に目を向ける方法があります。何を見直すかの整理は、次の記事にあります。
→ やりたいことがあるのに行動できないときに見直すこと
先延ばしにしてしまうとき
先延ばしを「やめよう」とする前に、始めるまでの手間を見直す方法があります。始めやすさの観点から考えたい人は、次の記事が手がかりになります。
→ 先延ばしをやめるより「始めやすくする」
新しいことを足すと、ほかが回らなくなるとき
習慣を増やすたびに、生活の別の部分が回らなくなると感じているなら、環境や、実際に使える時間・余力を確認できます。増やす前に何を確認するかは、次の記事で整理しています。
→ 新しい習慣を増やす前に、やめることを1つ決める
毎日の判断で、疲れているとき
仕事や家事で判断することが続いて、新しいことを始める余力が残っていないと感じる人もいます。「決断疲れ」と呼ばれる状態について、言葉の意味と判断を減らす考え方を知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
→ 決断疲れとは?判断を減らすための方法
「意志が弱い」と考えるとき、見えにくくなること
続かなかった理由を「意志が弱いから」だけで説明すると、その日に何があったのか、どんな条件で止まったのかという別の情報が残りません。同じ人に、続いている習慣と続かなかった習慣があるなら、条件の違いを比べてみることができます。
たとえば、続いていることがあるなら、それは何時ごろ、どこで、何をきっかけに行っているのかを書き出してみます。続かなかったことと並べて見ると、違いが具体的に分かることがあります。
その習慣は、何のために始めたのか
見直しの前に、確かめておきたいこともあります。
- その習慣は、自分がやりたいと思って選んだものか。周りの期待や、「やるべき」という感覚から始めたものか
- 続けることで、何が変わったら満足なのか
- いまの生活で、その習慣のために使える時間や余力が、どのくらいあるのか
答えが「分からない」でも構いません。始めた理由がまだ言葉にならないなら、そのまま残しておけます。始めた時と今とで目的や生活の状況が変わっているなら、当初決めた習慣をそのまま維持する必要があるかも、あわせて見直せます。
気持ちの落ち込みが続いているとき
習慣が続かないことに加えて、気分の落ち込み、強い疲れ、眠れない状態などが続いているなら、習慣の工夫とは別に、医療機関などの専門窓口への相談も検討してください。気持ちの面の相談窓口は、厚生労働省の「まもろうよ こころ」で紹介されています。窓口ごとに受付時間や方法が異なるため、利用前に最新の案内を確認してください。
どこから読むか
状態が複数に当てはまる場合は、いま一番気になるものから読めば十分です。読む順番は決まっていないので、気になるところから入って構いません。
- 始めるとすぐ止まってしまう → 最初のサイズを見直す記事
- やりたいのに最初の一歩が出ない → 行動できないときに見直すことの記事
- 先延ばしにしてしまう → 始めやすくする記事
- 新しいことを足すと、ほかが回らなくなる → 習慣を増やす前に見直す記事
- 毎日の判断で疲れている → 決断疲れの記事
- 気分の落ち込みや眠れない状態が続いている → この記事の「気持ちの落ち込みが続いているとき」
今日できる、小さなこと
外部の期限や健康・安全上の事情がなければ、大きな見直しを今日すべて終える必要はありません。続かなかった習慣を一つ思い出して、次のことを書いてみてください。
- 始めたのは、いつだったか
- 止まったのは、いつごろか
- 止まる前後に、何があったか分かる範囲で
書けない部分は、「分からない」とそのまま書いて残して構いません。書いた内容は、評価するためではなく、次に読む記事を選ぶための材料です。止まった時期や状況が分かると、この記事の四つの観点のどれに近いかが、見えてくることがあります。
最後に
続かなかったことだけから、意志の強さを判断する必要はありません。止まった時期や状況を事実として並べると、次に確認する場所を一つ選びやすくなります。
最近止まった習慣は、サイズ、きっかけ、手間、環境のうち、どこに最も近かったでしょうか。